大震災(大人災?)の爪痕
今年は大震災後10年の年。
復興も進んでいるところもあるし、当然更地のままのところもある。
先日、帰還困難地域に指定されているエリアを通った。
歩行者や自転車は通行禁止。
走行する車両も極端に少ない。
主要道路から入る脇道はバリケードで塞がれている。
道路沿いの民家の入り口にもバリケードがおかれ、車両が入らないように
なっている。
民家へのアプローチに当たる部分は、まだ草が生えない時期にもかかわらず、ススキの枯れた残骸がはびこっていた。
もう少し気温が上がれば、雑草が生え藪のようになるのだろう。
錆びついたバリケードから見える家々の窓は壊され、カーテンで
あったはずのボロボロの布地が風に揺れていた。
留守宅に入り、略奪行為をする輩がいることはニュースで聞いた。
その為にバリケードが張られているのだろうが、あまり意味がないようだ。
集落を何か所か通り過ぎたが、ゴーストタウンってこのようなところだろう。
立派でまだ新しい家もある。大きな家も多い。これらを全部捨てて知らない土地で暮らさなければならない人々がいる。
国からの補償を貰って暮らす人々に対し、良いなぁ と言う人がいる。
そんな人にこの道路を通ってほしい。このゴーストタウンを間近で見てほしい。
私は幸い震災の被害は何も無い処に住んでいるけれど、この現状には心の中に重い雲が立ち込めて、行き場のない怒りと悲しみに覆われる気がした。
あのすごい地震にも耐えた無傷の場所が、原発などと言うものがあったせいで住めなくなるなんて・・・。