今週のお題

娘がまだ小学生の頃。 乗っていた自転車がボロくなり小さくなってしまった。 買って欲しい、と言われても娘だけに買うわけにもいなかい。 息子も同じように小さくなってしまった自転車に乗っている。 ゴメンネーと言いつつ少しずつ給料から貯めておいた。
娘の誕生日が近付いてきた頃、町の自転車屋さんに言って訳を話し、新しい自転車を取り寄せてもらった。 ちょうど誕生日の前日に届くように。 で、当日も私は仕事。 休むわけにはいかない。 娘は文化の日に生まれたのに、私は一度もその日に休みがとれた事がない。 日中にお祝いをしてあげた事もない。 いつも夜10時頃に帰って、遅い夕食と一緒にケーキを食べさせてあげるだけ。
 その日の朝、まだ寝ている娘に手紙を書いた。 「お誕生日オメデトー。 今年もまともにお祝いしてあげられなくてゴメンネー。 町の自転車屋さんに○時に行って、自分の名前をそこのおじさんに言いなさい」と。
自転車屋さんには前もって打ち合わせ済みなので、行けば娘の分と息子の分の自転車(新品)を渡してくれるようにしておいた。
結果、とにかく喜んでくれた。 何年経ってもその時の事は覚えているらしい。 それから数年間、その時の手紙を大事に持っていてくれた。 そのくらい彼女にとってはうれしい事だったのだろう。 親としても頑張って良かったなーとしみじみ思った。