大震災

すごい地震だった。


仕事中、それは突然来た。

本社から来ていた人のケータイがブーブーとなった。
「何の音ですか?」
地震の警報なんだけど・・・・。」
「別に地震らしくもないですよね。」
「なんだー、間違いかなぁ」


そして、来た。


事務所の人達は「あー地震だー」とのんびりムード。
ちょっと長い。
ハッとして、「非難しましょう」と声を掛け、ロビーに飛び出し
「お客様は?」と大声で叫んだ、
「二階にいらっしゃいます」と誰かが答える。

二階に駆け上がろうとした。 揺れて階段を上がれない。
その時、別のスタッフと前撮り中のお客様が駆け下りてきた。
後はもう夢中で、そのお客様を抱えるようにして、外に飛び出した。


道路を横切ろうとしたら、揺れて歩けない。
その場にすくんで、振り返ったら、四階建ての会社の建物が
グラングラン揺れていた。
建物の外壁がカラカラと落ちてくる。
とにかく、少し先の駐車場にスタッフと共にお客様を誘導した。

広い駐車場の中で立っていると、次から次へと揺れるのがわかる。
そこで揺れが収まるのを待っていたが、お客様が白足袋のままである事に気づき、スリッパを取りに事務所に戻る。
別のスタッフはお客様の赤ちゃんの為にひざ掛けを取りに走った。


細かい雪の振る中、冷たい風にさらされて、でも揺れが次々と襲い掛かってきて会社の中に入れない。


社内に戻っても余震が続き、警報が鳴る度に外に飛び出す。


家に帰っても同じ。
ライフラインはすべて無事だった。
でも怖くて、ガスもストーブも使わず炬燵オンリーで頑張った。
狭い茶の間に親子3人で固まっていた。

息子は災害派遣の要請で現地へ向かっている。自衛隊だから当然。
私の母親は施設にいるが、施設も無事。 
家族の無事が何より安心。